Reviewed by Gary Heiting, OD
原発性開放隅角緑内障(POAG)-単に開放隅角緑内障とも呼ばれる-は、緑内障の中でも最も一般的なタイプです。 緑内障研究財団によると、300万人以上のアメリカ人がこのタイプの緑内障にかかっています。
開放隅角緑内障は、取り返しのつかないほどの視力低下が起こるまで、異常に気づかないという点で、特に危険な眼病です。
原発性開放隅角緑内障は、初期段階では痛みや目立った視力低下などの自覚症状がないため、「静かな視力泥棒」と呼ばれることもあります。
原発性開放隅角緑内障は潜行性で、進行すると壊滅的な視力低下を引き起こすため、定期的に総合的な眼科検診を受けることが重要です。
原発開放隅角緑内障の原因
大まかに言えば、開放隅角緑内障は、眼内圧(IOP)と呼ばれる眼球内の圧力が慢性的に高くなることで起こります。 緑内障は、眼球内の圧力(眼圧)が慢性的に高くなり、眼球の奥にある視神経にダメージを与えることで、永久的な視力の低下をもたらします。
目の中の圧力は、房水と呼ばれる透明な液体によってコントロールされています。 この液体は、虹彩(瞳孔を囲む目の色の部分)の後ろにある毛様体という構造体によって作られます。
房水は、瞳孔を通って前房(目の表面にある虹彩と透明な角膜の間の空間)に入ります。
房水は瞳孔を通って前房(眼球前面の透明な角膜と虹彩の間の空間)に入り、角膜と虹彩の周辺部が合わさったところにある「排卵角」という構造を通って前房内から排出されます。
健康な眼球では、毛様体による房水の産生量と、排水角からの房水の流出量のバランスがとれており、眼圧は正常です。
原発性開放隅角緑内障の眼球では、排水角にある海綿状の網目構造から眼球の外に出る房水の量が、毛様体で産生される房水の量よりも少ないため、眼圧が異常に高くなります。
最終的には、この高い眼圧が、目からの視覚情報を脳に伝える目の奥の視神経にダメージを与えます。
この状態を開放隅角緑内障と呼びますが、これは眼球の排液角が開いたままの状態であるためです。 眼角が開いているにもかかわらず、正常な眼圧を維持するのに十分な速度で房水が海綿体から排出されません。
原発性開放隅角緑内障の危険因子
開放隅角緑内障の危険因子には以下のものがあります:
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年齢。 開放隅角緑内障を発症するリスクは、40歳を過ぎると大幅に増加し、その後も10年経つごとに増加していきます。 開放隅角緑内障は、すべての人種に発症する可能性がありますが、アフリカ系アメリカ人とラテンアメリカ出身者またはその血を引く人は、リスクが著しく高くなります。
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特定の医学的問題。 糖尿病、心血管疾患、低血圧などの内科的疾患は、原発性開放隅角緑内障のリスクを高めます。
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投薬。
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家族歴 – 両親や兄弟のどちらか、または両方が緑内障である場合、開放隅角緑内障の発症リスクは3~4倍になる可能性があります。
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ライフスタイル – 緑内障の予防や健康全般において、喫煙、過度のアルコール摂取、肥満は禁忌であるという研究結果があります。
これらのリスクの高いカテゴリーに該当するかどうかに関わらず、定期的に目の検査を受けることで、他の緑内障や目を危険にさらすような疾患のリスクがないことを確認することができます。
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原発開放隅角緑内障の治療法
原発開放隅角緑内障の治療法には、点眼薬や薬物療法から緑内障手術までいくつかの種類があります。
点眼薬
一般的に開放隅角緑内障の治療は、眼球内の房水の産生を抑えたり、眼球内の房水の排出を促進したりする点眼薬の処方から始まります。 この点眼薬は、1日1回または数回に分けて使用する必要があります。 POAGは慢性疾患であるため、一生、目薬を使い続ける必要があります。
内服薬
点眼薬に加えて内服薬が処方されることもあれば、特定の点眼薬の代わりに内服薬が処方されることもあります。
手術
眼圧を下げ、点眼薬への依存度を減らし、開放隅角緑内障による視力低下を防ぐことができるレーザー手術、顕微手術、従来の手術方法があります。 緑内障手術の中には、時間の経過とともに効果が薄れるものもあるため、数年後に追加の手術が必要になることもあります。
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眼科医に診てもらう
残念ながら、原発性開放隅角緑内障の治療では、途中で失われたり傷ついたりした視力を回復させることはできませんが、定期的に総合的な眼科検査を受けることが重要な理由のひとつです。 眼科医は検査の際に眼圧をチェックし、緑内障の疑いがあると思われる方には予防策を提案します。
緑内障の疑いのある方は、必ずしも緑内障ではありませんが、眼圧が正常値よりも高いことが多く、眼圧亢進症と呼ばれている状態です。
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ページ更新日:2021年3月
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