大気圧とは、地球上のある地点において、大気が及ぼす力のことで、大気圧とも呼ばれています。 気圧は世界各地で常に変化しており、特に標高の高い場所では海面よりも気圧が低くなります。 天候の変化に伴って気圧も変化するので、天候、特に嵐の到来を予測することができる。 しかし、気圧は天気予報だけではなく、実は体にも関係しているのです。 慢性的な痛みを抱えている人の多くは、嵐や大雨などの天候の変化の前に痛みを感じることがあり、それによって今後の天候を予測することができます。 逆に、痛みが軽減されているようであれば、「もうすぐ天気が良くなる」と予測することができます。
気圧の変化に伴い、痛みが軽減されると、天気が良くなると予測します。
天気が変わる直前に気圧が下がると、体への押し付けが弱くなります。 その結果、組織が膨張し、関節が圧迫されて痛みを感じるようになるのです。 これは、関節炎(関節の炎症など、関節に影響を与える疾患を総称して「関節症」と呼びます)の方には特に関係があります。 気圧の低下と同時に発生することがある低温も、天候に関係する要因の一つです。
ただし、痛みの感覚や痛みの報告は主観的なものであり、個人の感覚と関係しています。 痛みには主観的な要素がつきものですが、気圧だけが関節痛の原因ではない理由は他にもあります。 気温が下がると関節液の厚みが増しますが、気温が下がると家に閉じこもりがちになったり、あまり体を動かさなくなったりする人が多いということが言えます。 関節炎の痛みを和らげるためには、体を動かすことが大切なので、気温の影響で体を動かさなくなると、痛みが増す可能性があります。
もう1つの論点は、人の心理状態に関係します。 暖かく晴れた日が心理的に気分を良くするのであれば、身体的にも暖かく晴れた日が気分を良くし、実際よりも痛みを感じなくなる可能性が高いと考えられます。 このことは、2015年に行われた関節炎と天候に関する2つの研究の結果からもわかります。 1つはJournal of Rheumatology誌に掲載されたもので、サンプルサイズは810人で、全員が変形性関節症を患っていました。 その結果、気温や湿度と関節痛の間には有意な相関関係が認められ、冬の雨の日や寒い日など、寒くて湿度の高い日は痛みが強くなることがわかりました。 一方、「Rheumatology International」誌に掲載された2つ目の研究は、関節リウマチの患者133人を対象にしたものです。 晴れて乾燥した日には、参加者は関節の痛みが少ないと報告しており、気温、湿度と関節の痛みの間にも有意な相関が見られました。
天気と痛みの関係は無視できませんが、天気にまつわる心と体の関係も無視できません。 気圧の低下が組織の膨張や関節の過敏性に影響を与えることは科学的に証明されていますが、天候以外にも日々の痛みのレベルに影響を与える要因はたくさんあります。 それにしても、天気と痛みのレベルに相関関係があるとは驚きです。