目的:静脈瘤の治療における長伏在静脈(LSV)のストリッピングは静脈瘤の再発を減少させる可能性があるが、罹患率を増加させる可能性もある。 ストリッピングが健康関連の生活の質(HRQoL)に及ぼす影響は不明である。 本研究の目的は,LSV手術においてストリッピングが成功した場合と成功しなかった場合のHRQoLへの影響を検討することである。 方法は以下の通り。 この前向き研究は,膝までのLSVのストリッピングの試みを含む静脈瘤手術を受けた102名の連続した患者からなる。 HRQoLは術前、術後4週間、6ヶ月、2年後にAberdeen varicose vein severity score(AVSS;疾患別)とShort-Form 36(SF-36;一般)で評価した。 剥離済みと定義された患者は、2年後に術後のデュプレックススキャンで大腿部から膝までの完全な剥離が確認された患者であった。 incompletely strippedと定義された患者は、術後に大腿部にLSVの残骸が認められた患者である。 深部静脈逆流(DVR)は、少なくとも膝窩静脈で0.5秒以上の逆流と定義した。 結果 102名の患者のうち66名(65%)が、4つの時点すべてで完全なHRQoLデータを提供した。 ベースラインでは、AVSS、SF-36、年齢、性別、DVR、CEAPグレードのいずれにおいても、ストリップされた患者(n=25)とストリップされていない患者(n=41)の間に有意な差はなかった。 非完全剥離群では、再発のために手術を受けた患者が有意に多かった(29/41、71%、対8/25、32%、χ2検定でP = 0.002)。 両群ともAVSSスコアは2年間にわたって有意に改善した。 再発病を調整した後、6ヵ月後(中央値)(9対15、P =.031)および2年後(7対9、P =.014)のAVSSにおいて、ストリッピング術はさらなる効果をもたらしたが、これは術前DVRを受けていない患者では統計的に有意であったが、術前DVRを受けた患者では有意ではなかった。 SF-36スコアはストリッピングの影響を受けなかった。 結論 LSV手術は,疾患特異的なHRQoLの有意な改善を2年もの間もたらす。 DVRのない患者では、膝へのストリッピングによりさらなる効果が得られる。 (J Vasc Surg 2002;35:1197-203.)
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